よくある質問について

井本整体とは何ですか? 街で見かける色々な整体とはどう違うのですか?

整体操法というものを作った中心人物が野口晴哉氏です。その高弟であった父・井本良夫氏より5才の頃から整体を学び、以来50年以上、山口および東京で整体指導にあたってきた、井本邦昭氏が主宰する団体が井本整体です。

「整体」とは、本来このような正統な流れをくむ技術を呼ぶべき名前ですが、特に使用制限がないため、さまざまな療術が「整体」という言葉を安易に使っています。そのため、その違いは説明しにくいものとなっています。誤解を避けるためにも、ここでは私達の特色を挙げますので、その中からご存知の「整体」との違いを感じていただければ、と思います。

井本整体では、いつなんどきも命に対する礼を忘れません。操法(施術)をするときはもちろん、道場生が講座を受講するとき、自主練習をするときもそうです。形だけでなく、心にも「礼」がなければ対象の体は変わらないと考えます。こちらの命をぶつけるからこそ、相手の命に動きが生まれる。このような命を通じた体同士の対話の根底に、礼の精神が宿っているのです。

技術的には、機械・道具は使いません。対象の観察を行う場合でも同様で、自身の五感を駆使して体を読み取っていきます。その意味では純粋な手技療術です。操法の手順にも、決まった流れはありません。相手の体がもっとも必要とする箇所をみつけ、そこに刺激・揺さぶりを起こして目覚めさせるので、結果的に流れは人それぞれになってしまいます。しかしながら、観察→施術→観察(確認)という、大枠の流れは存在します。

カルチャーセンターでの講座と、本講座の内容の違いは何ですか?

端的に言えば、学習深度の違いでしょう。本講座は将来的に開業が可能なプロの養成を目的とし、技術・知識も網羅されているのに対し、カルチャーセンターでの講座は自分自身の体を見つめなおすと同時に、自身の周辺(家族など)に活かせる整体法の習得を目的としています。

授業はどのように行われるのですか?

東京本部、地方講座の開講日、時間、修了年限につきましては整体法講座のページをご覧下さい。 初等、中等、高等(各6ヶ月)およびプロ養成基礎講座(1年、期間はいずれも東京本部道場のもの)の合計2年半で、整体指導に必要な基礎的な技術は全て学んでいきます。

整体の考え方、知識を習得するための講義もありますが、特に実技練習を通じて体で覚えることに重点を置いているところが特徴です。その後は、プロ養成講座(修了年限はありません。)において、

プロとしてのさらに高度な技術を学ぶこと。臨床上の応用方法を修得すること。

この二点を柱に、修得した技術についてさらに練習を積み、どのような場合でも完璧に使いこなせるようにすることを目標としています。

講師は有資格者の中から選ばれ、担当しています。但し、井本先生も毎週2回、東京の講座日程に合わせて上京していますので、東京本部においては通常の講座であっても、突然井本先生による指導が始まり、特別講座のような直伝の場となることがよくあります。

整体の授業は体力が必要なのですか?

生命力という意味での体力は必要としますが、いわゆる筋力などのスポーツの分野で使われる体力は必要としません。筋力などに整体の優劣は左右されません。腕押しの療術家が呼吸器を壊すことがありますが、正しく修得すれば自らの心身を整えてゆくことができます。

女性、年配者でも大丈夫でしょうか? 未経験でも大丈夫ですか?

井本整体の技術には腕力は必要なく、かえって腕力に頼ることの弊害の方が大きい面があります。

そのために、腕力のある男性よりも女性や子供の方がかえって進歩が早いことが多いのです。逆に力のない人でも技術の核心を掴みさえすれば、プロ中のプロになれる、これが井本整体の技術なのです。

また、特に女性の柔らかな雰囲気は、受け手の気持ちを和ませ、体もゆるめますので、整体指導の効果も上げやすいと言えるでしょう。 なお、現在多くの女性道場生が本部道場で学んでおり、認定指導者、体操指導者も誕生しています。未経験の方も問題なく受講していただけるよう、整体に限らず必要な専門知識は、講義中にその都度解説が加えられています。

入門前に書籍にある程度目を通しておき、一定のベースを作っておかれると講義内容の習得が早まりますので、お勧めしています。

生徒は男性と女性、どちらが多いのですか?

比率としては4:6位で、女性がやや多めです。

授業は何人くらいで行われるのですか?

一度受講した講座は何度でも出席が可能な制度があり、毎回講義では当該期の道場生よりも多くの先輩が参加していますので、毎回数十人、ときに100人近い人数での講義になる場合もあります。

地方講座は道場生の数そのものが少数なので、そこまで賑わうことはありませんが、学習機会が限られているため、出席できる講義には全て出席する傾向があります。少数ながら、熱の帯びた講義になっているようです。

◯◯病も治せるのでしょうか?

これも本当によくいただく質問です。その病名に至るまでの背景は人それぞれで、原因となる箇所が必ずしも同じとは限りません。「病名を追いかけない」というのも、井本整体の重要な姿勢のひとつです。

あくまで井本整体の立場は病名がなんであれ、体を観察し不調の原因を探し、全身が調律されるように促す。その病気がなくなったかどうかは、医療機関でお尋ねください。

テキストはありますか?

ありませんが、必要に応じて資料が配布される時はあります。

プロ講座(もしくは高等講座)から入れますか?

井本整体の整体法講座が、手技のみの伝道の場であったならばそれも叶うかもしれませんが、心理指導、人格形成、そしてなにより間違いのない技術の修得があってはじめて、井本整体で学習したと言えるのでは、と考えています。

そのため医療・療術の経験の有無にかかわらず、初等講座からの受講をお願いしております。

整体体操だけ習えますか?

体操ひとつとってもその周辺には様々な技術・知識・思想などのバックグラウンドがあります。整体的な知識・技術を積み上げていった結果、その上に体操があるとお考えください。

そうした観点から、体操のみを網羅した講座は用意しておりません。全ての体操を修得しようとお考えでしたら、整体法講座の受講が近道ではないかと思われます。

整体のプロを目指すというより、自分や家族の健康のために整体を役立てたいのですが?

整体の技術は、本で読んで実行するだけでも高い効果が上げられる優れたものです。しかし、さらに体を正確に読み、正しく行うことができると格段に効果が上がります。

また、家族の方が体調を崩された時でも、医者や薬に頼ることなく処置できる場合がありますし、じっくり安心して症状の経過を見守ることもできます。この意味からは、本部講座(初等・中等・高等)はもちろん、カルチャーセンターでの受講をお勧めします。

資格は取れますか?

整体に関しては、公的な資格は日本にはありませんが、井本整体での技術認定として人体力学マイスター、認定指導者、体操指導者の各資格があります。有資格者に対しては、個人の活動の他、井本整体からも様々な活躍の場が用意されています。

自分の講座以外の日でも練習できますか? 自習するスペースなどはありますか?

東京本部に限りますが、使用しないスペースを開放して自習できるようになっています。また、現在毎週火曜日・金曜日には「登録制自主練習会」があり、これには認定指導者も必ず参加していますので日頃の疑問の解決や、苦手分野の克服もでき、安心です。

地方講座におきましても、講座の前後など折々に自主練習を行っています。

休憩室はあるのですか?

東京本部地下にラウンジを用意しています。ご自由にご利用下さい。

授業を休んだ場合、補講はあるのですか?

東京本部の場合は、平日と週末のクラスがありますので、どちらのクラスにも出席することが可能です。 地方講座の講義は一度限りになりますが、少人数ですので欠席分は講師の裁量で補講が行われることがあります。事前にご相談ください。

また、少し時間は空きますが半年もしくは一年後に同内容の講義が行われますので、そちらに出席し、欠席分を補っても構いません。

休学制度とはどのようなものですか?

何らかの事情で学習の継続が困難になった場合、休学申請をしていただくことにより将来の復学を可能とするものです。休学の目安は1年ですが、必ずしも厳密な期間ではありません。できる限りの考慮はいたしますので、本部事務局にご相談ください。

開業はいつ頃できるようになるのですか?

入門後、最初の2年半(東京本部で受講の場合)で学ぶ基本的技術が完璧に行えるようになれば、開業が十分に可能なだけの内容になっています。修得にどれくらいの期間がかかるかは、個人差が大きく一概に言えません。充分な練習ができる環境は備わっています ので、あとは本人の決意とやる気にかかっていると言えるでしょう。

医師を目指す場合でも、医学部で6年、その後の実習の期間を含めると一人前になるには最低は10年かかると言われています。同じ命と向き合う仕事として、全く経験のない状態から半年や1年で開業できることを約束することも、考えることも無責任と言えるのではないかと考えます。

井本整体の技術は、時間をかけてじっくり学ぶだけの深い内容を持つものです。いたずらに時間をかければよいというものではありませんが、相応の時間が必要であることも知っていただくべきでしょう。

現在別の仕事をしてますが、開業して生計が立てられるか不安です。

特別な縁故に恵まれない限り、どんな業種においても独立開業というものは困難が付きまといます。当然、開業された後はひとつの経済主体として歩んでいくわけですから、自己責任での運営となります。

整体法講座では特別に開業支援のプログラムなどは用意していませんが、道場生の皆さんに開業するに相応しい技術と、指導者として適切な人格を身につけていただくことで、それらに応えていこうと考えています。

また、道場内での交流が盛んですので、独立後もプロ講座などで日々仲間と活発に情報交換を行ったり、先輩が蓄積してきた貴重な経験に触れたりと、ソフト面では充実した環境ではないでしょうか。

日本語が母国語ではないのですが、英語で説明をお願いすることはできますか?

日本語でお答えするのも心苦しいですが、これまでは学友の中で語学に覚えのある方が必要に応じて通訳し、技術を修められた海外の方が数多くいらっしゃいます。講義も座学よりも実技の割合が多く、また、体で感じることが重要ですので、核心的な部分はあまり 言葉に頼らない海外の方のほうが悟りやすいという、興味深い傾向もあります。

セミナーのテーマは、どのように決めているのですか?

通常の講座では説明しきれない重要な箇処について、まとめたり補足をしたりすることもありますが、日々の臨床の現場で感じられる、「いまのからだ」がテーマになることが多くなります。

そこでは前日に診た患者さんの話が飛び出したり、若干設定テーマを脱線することもありますが、現場の臨場感が伝わり、会場の集中力がもっとも高まる瞬間でもあります。実際の現場や日々の生活ですぐに活かせる技術となるよう、さまざまな切り口からテーマについて深めていきます。